娘よ、いずこ

帰宅時間が遅かったゆえ、娘の出迎えはなかった。

寂しい気もするが、
仕事と暑さの所為で、幾分か疲れていたこともあり、
安堵の気持ちは否めない。


一日の疲れは、
娘の笑顔を見れば吹き飛ぶものだが、
笑顔以上に、寝顔はさらに癒される思いである。


帰宅するや否や娘の寝顔を見ようと
妻との会話もソコソコに和室を覗いたが、
布団の上には姿が無い。
隣の妻の布団の上にもおらず…

否、目を凝らすと、部屋の隅のほうで
小さい体でありながら大の字となった娘の姿を認めた。


相変わらずの寝相の悪さには閉口する。


空調の電気代の節約も兼ねて
私も和室で文字通り「川」の字となって寝ている。
今朝も、顔の辺りに温かみを覚え目を開けると、
そこには娘のお尻があったのである。


とは言うものの、どんなに寝相が悪い夜でも、
私の布団には転がってこないのは、これ如何に…







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